ダイソンの調査で明らかになったニューノーマルな生活様式下における掃除習慣の変化――ハウスダストの真実|Dyson ニュース|ダイソン

ダイソンの調査で明らかになったニューノーマルな生活様式下における掃除習慣の変化――ハウスダストの真実

2020.3.12
今回、英ダイソン研究デザイン開発拠点(以下、Research Design Developmentの略RDD)内でハウスダストを科学的に研究する施設の裏側を紹介、またダイソンの微生物研究者が掃除とハウスダストについて語ります。

ダイソン グローバル ダスト調査

2020年、ダイソンはハウスダストや掃除周りの行動変容に関するグローバル調査を実施しました。この調査レポートでは、世界中で掃除習慣がどのように変化したのかなどが明らかになりました。快適、衛生的な住空間への関心がかつてないほど高まる昨今、世界中で10人に6人がより頻繁に掃除を行うようになったと回答したことは驚くにあたりません。ニューノーマルな生活様式以降、改めて掃除の重要性に対する関心が集まっています。
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しかし、私たちの暮らしにおいてなぜ掃除が大切なのか、またそもそもハウスダストには何が含まれているのか等は、一般的に広く知られていない場合があります。ダイソンが実施したグローバスダスト調査では、掃除習慣や行動について調べると同時に、ハウスダストに対する理解と、ハウスダストが快適な暮らしや住環境に与える影響を調査しました。その結果、回答者の4人に1人が自宅のダストやホコリについて「非常に心配」(日本単体の回答は14%)しているにもかかわらず、ハウスダストやその他の微細物質等が、”ダスト”や”ホコリ”と称されるものとどのような関連性があるのかに関しては、多くの人が「よくわからない」と感じていることが明らかになりました。

そこで今回、英マルムズベリーにあるダイソンRDDのエンジニアおよび微生物学研究ラボの専門家に、ハウスダストには何が含まれているのか、ハウスダストに留意する点、そして日々の暮らしの中で私たちができることについて聞きました。

ホコリやハウスダストとはそもそも何ですか?

ホコリやハウスダストは世界中のありとあらゆる一般家庭に存在する微細物質を称する表現です。その一方、どのくらい多くの人がホコリやハウスダストについて興味や関心を持ち意識を向けているでしょうか?部屋を見渡した際に、目で見える量のホコリが見つかるかもしれません。その量が少ない、もしくは何も確認できない場合は、室内に存在するであろうホコリやハウスダストの多くが、肉眼では見えない細かさのためです。また、それらには快適な住空間等に影響を与える微細な粒子状物質が含まれていることがあります。

ダイソン微生物学研究ラボの科学者、デニス マシューズ(Dennis Mathews)は、ダイソンが毎年一般家庭などから収集している何百キロもの本物のハウスダストを分析し、家庭や室内のホコリの中に何が含まれているのかを研究しています。

「人々が家庭や室内の中のホコリやハウスダストを――目に見えない大きさのものも含めて――理解し、そうしたホコリやハウスダストを自分の生活空間から取り除く最善の方法を理解することが極めて重要です。」とマシューズは説明します。「室内で過ごす時間が増えた昨今、目に見えない微細なゴミやホコリも含めたハウスダストに関して、さらにその除去対処方法について人々が理解することがきわめて重要なのです。ハウスダストに何が含まれ、どのような環境条件等で繁殖する、そしてどのような場所により気を配る必要がある等を知ることで、健やかかつ快適な暮らしに向けた掃除の実践につながることでしょう。」

「ラボでホコリやハウスダストのサンプルを分析する際の私たち研究者は、科学捜査の刑事に似ています。」と、ダイソン微生物学研究所内のハウスダストラボで作業するマシューズは話します。

ホコリ・ハウスダストとは何か?

家庭内のホコリやハウスダストには、皮膚片、髪の毛、ダニの死骸、ダニのフン、カビ、昆虫類やその他の繊維類といった微小な生物や物体が混在しています。こうした微細物質の多くは100ミクロンにも満たないサイズのため、肉眼では捉えにくく、顕微鏡を用いて確認ができるサイズです。
ホコリやハウスダストの大きさ
顕微鏡でみる、“ホコリ”に含まれる微細な物質に含まれるヒトの毛髪と微細なゴム粒子。これにより毛髪の大まかな太さがわかります。

「多くの場合、一般的な家庭から収集されたホコリやハウスダストを見れば、それが海の近くの住居からのものか、などが分かります。一定の塩分や鉱物が含まれているからです。近くに特定の樹木があれば、室内で見つかる花粉の種類に基づいて品種を特定できるかもしれません。都市部や道路に近い家庭では、ゴムタイヤやマイクロプラスチックの破片のような合成粒子が見つかることもあります。」

マシューズが、顕微鏡で見つかった物質をラボのモニターに投影し説明します。そこに映し出されたのは、家庭内のホコリ・ハウスダストから見つかりそうにないものでした。石炭のかけらのように見える黒い粒子です。「こうしたゴム粒子などのマイクロプラスチックは非常に微細なため、呼吸とともに吸い込む可能性があります」と彼は説明します。

しかしマイクロプラスチックは氷山の一角にすぎません。

部屋の外から持ち込まれる粒子に加え、室内に存在する微細物質もハウスダストとなります。

家庭や室内のホコリやハウスダストから見つかるものとして大きな比重を占めるのがヒトの皮膚片です。平均的に1日に約2gから3gの皮膚片が剥がれ落ちると言われています。その量は夜間にさらに増え、「1週間で大体ポテトチップス1袋分(小サイズ)と同じ重さになります」。

ダニとは何か?

ダニは地球上で何百万年も生きてきた極めて微小なクモ形類です。人間が屋内に移るとダニも屋内に移動しました。フンに含まれるタンパク質やダニの死骸が日常の快適な暮らしや住空間に影響を与える可能性があります。
皮膚片の粒子
皮膚はハウスダストの主成分のひとつであり、ダニの主なエサとなります。

ヒトの皮膚片は、ダニの主なエサです。そのため、室内に堆積する皮膚片の量を定期的に減らすことが大切です。室内環境には何百万匹ものダニが存在している可能性があります。ダニ自体は有害ではありませんが、そのフンに含まれるタンパク質やダニの死骸を取り除くことが、快適な暮らしや住空間の実践に重要です。

日本では高度経済成長期以降、住宅構造が変化し高湿度になりやすくなったため、ダニの繁殖に有利な室内環境になりました。ニューノーマルな生活様式下、室内で過ごす時間が増えたことでこの状況が悪化したことは、複数の研究で示唆されています。

掃除をする頻度を増やすことは、室内のホコリやハウスダストの量を減少させること、そして快適な暮らしや住空間の実践する上で有効です。また、マシューズは、掃除機がけを行う場所を意識することも重要だと話します。

ダニは温かく暗く湿った環境を好み繁殖するため、ベッドやソファのような場所はダニの温床となる場合があります。日本では特に、梅雨時期前後にその数が急増する傾向があります。皮膚片を掃除機で除去すること、湿度や室温を意識して適正保つことはダニの増殖を抑える手段として、一般的な家庭でも行なる方法だと、ダイソンの微生物学者は推奨します。

しかしホコリの中には、10-20ミクロンといわれるダニよりも小さい微小生物が存在しています。5人に1人がハウスダスト内に100ミクロンにも満たないサイズの微小な生物や物体が存在する可能性があることに「驚いた」と回答しています。

「私たちは実際に一般家庭から収集したホコリを用いてテストを行っています。だからこそ、ダイソンの掃除機は、実験ラボ環境下だけでなく実環境の一般家庭においてその性能、機能を最適に発揮することができるのです。」

集塵ラボのテクニカルリードを務めるトム マクヴィー(Tom McVey)は「私と同じくらい長く床材の種類やホコリ・ハウスダストを扱う業務をしていると、カーペットをシンプルに敷物として捉えることはありません」と話します。「目に見えないホコリやハウスダストの粒子が、カーペットの繊維の奥深くに隠れていることがあります。室外持ち込まれる粒子を踏みこむ可能性がある場所では、それが顕著です。」

トムは、室内のさまざまな床表面からホコリやハウスダストをしっかりと取り除く、または吸い取る最善の方法を常に考え、理解することに取り組んでいます。集塵ラボでは、世界中の一般家庭で使用されているの多種多様なカーペットや床材を用いたテスト環境で、実際のホコリやハウスダストを最も除去できるクリーナーヘッドの設計について研究調査しています。チームは掃除機の設計と性能を具体化し改善すべく、毎日何マイルにも及ぶ集塵性能を試験します。

「一般家庭への推奨掃除頻度は、室内おいてヒトの往来が多い場所を最低でも週2回、それ以外の場所を週1回、掃除機がけをすることです。室内にカーペットやラグがある場合、また寝具掃除は頻度を増やすなどを意識することをおススメします」とマクヴィーは話します。

その一方でマクヴィーは、意識をして掃除するエリアを単にヒトの往来が多い場所だけではないとも指摘します。寝具マットレスに潜むホコリ・ハウスダスト除去方法を研究するために使うテスト装置を示しながら、「一日の約3分の1の時間を過ごすと言われているにもかかわらず掃除頻度が少ない場所が、実は意識を向けるべき場所になりやすいのです。定期的にソファ、寝具マットレス、そしてペット用のベッドに掃除機をかけることは大切です。このような場所には皮膚片が多く剥がれ落ちることがあり、ダニなどが繁殖しやすい環境となりえます。」

ダイソンが長年取り組んでいるハウスダストに関する研究からも、掃除機がけが室内のハウスダスト除去を最も効果的な方法のひとつであることが分かっています。今回のグローバルダスト調査でも、調査対象10か国において掃除機がホコリやハウスダストを除去する最も重要なツールであるという回答が得られました。掃除機は目に見えるホコリを除去するだけでなく、それ以外の掃除ツールと比べ表面の見えないホコリやハウスダストの量を減らすことにも有効です。

掃除機に取り組むエンジニアたち。

効率的にホコリやハウスダストを除去することを知るために、ダイソンの排気性能に重要なフィルター機構の設計を担う、分離機構エンジニア、ジョナサン マゴーヒー(Jonathan McGaughey)にも話を聞きました。

「多くの場合、重要視されにくいのですが、掃除機のフィルター機能、排気性能は非常に重要な要素です。床や掃除した表面からホコリや汚れを取り除いた後は、それらがしっかりと掃除機の中に閉じ込められ、部屋の空気中に――起ってほしくはない例として掃除機をかけているユーザーめがけて――再放出されないようにすることが必要です。」

フィルター機能はダイソンの掃除機の要です。ジェームズ ダイソンが手掛けた最初の掃除機DC 01は、汚れ、ホコリ、ゴミを吸いこんだ空気から分離する画期的なサイクロン式フィルター機構を搭載しました。それ以降、今日における約30年の間に、ダイソンのフィルター機構はより高度で堅牢なものとなりました。そのおかげでダイソンの掃除機は、0.3ミクロンもの微小な粒子の99.99%をしっかりと捕集し*ダストビンに閉じ込めるができるのです。

* ASTM F1977-04に基づくSGS-IBR(米国)および自社による試験結果(2020年に実施)。試験は0.3μm以上の粒子を使用し、強モードで実施。

掃除機に必要な要素とは?

目に見えない微細な粒子までをもしっかりと集塵、捕集する掃除機設計は、細心の注意を要する綱渡りのようなものだと、マゴーヒーは説明します。「そして一般家庭内のホコリやハウスダストを取り除くために、掃除機を選ぶ際に注意すべき重要な点がいくつかあります。」

1. 吸引力:適した吸引力は、目に見えるホコリと目に見えないホコリやハウスダストを掃除場所の表面からしっかりと取り除く上で重要です。ダイソンの掃除機はDyson Hyperdymium™モーターを搭載し、吸引力を効率的に高めています。

2. フィルター機能:極めて微細なホコリを取り除くためには、数段階にわたりゴミを捕集するフィルター設計、そして製品の堅牢な密閉性が不可欠です。たとえ高性能なフィルターを搭載していても、掃除機本体から空気や排気が漏れない密閉性が備わっていなければ、効果がありません。

3. さまざまな場所の掃除を可能にする多用途性:効率的なホコリ・ハウスダスト除去の実践には掃除頻度が関係します。室内でホコリを見つけてから掃除するのではなく、ご自身の生活スタイルと住居環境に適した形式を選択し、定期的な掃除を実践することが大切です。例えば、コードレス掃除機を検討する際は、バッテリーの運転時間が一つポイントになります。今回のグローバルダスト調査では、一回の掃除時間に関する対象国の違いも浮き彫りになりました。グローバル平均では、1回の掃除で掃除機をかける時間は約24.2分、日本の平均掃除時間は約18.4分でした。各家庭の住環境、生活スタイル等でさまざまな要因が考えられますが、頻度に応じては、使用する掃除機の運転時間が、一般的にユーザーの皆さんが考える長さよりも短くても十分な場合もあるかもしれません。

ホコリやハウスダストの中に何が含まれているかを理解し、それらを取り除くために最適な技術、ツールを用いることは、健やかかつ快適な生活空間維持するための大切なポイントです。

そしてこれが、ダイソンが約20年にわたり、微生物研究ラボを自社内に有し、様々な生活環境や習慣を加味し、実際の生活空間から採取された微細なゴミやホコリを用いた研究を続けている理由です。また、エンジニアと微生物学者が協業することで、室内の目に見えるホコリやゴミを簡単に除去するだけでなく、ハウスダストに含まれる微細なゴミやホコリまでをしっかりと取り除き、捕集することで、きれいな排気を排出するコードレス掃除機の製品設計を実現するために日々実践する取り組みと思いも、そこにあるのです。