第8章
真のグローバル企業へ
-
常にテクノロジーが自らを物語るDyson Demo(ダイソン デモ)。パリ、ラ・ボエシ通りにあるダイソンの初旗艦店(上階には事務所を設置)。むき出しの壁、ガラスの階段、台にはギャラリーのように説明がなく製品だけ。これまでにない内装。数年後にニューヨークでAppleが同じようなデザインのストアをオープンさせた。
-
シンガポールの先進製造施設内部。デジタルモーターはここに並ぶ密閉ユニットの中で製造される。人の手が触れることない完全自動化された、先端・自動製造施設。
-
シンガポール製造施設で機械加工中のダイソン デジタルモーター用インペラー。高精度の自動化フライス盤を使用。
-
フィリピンに新設した先進製造拠点。
-
ダイソンは、17年にわたりデジタルモーターを製造。2004年、ダイソン デジタルモーター第1世代がシンガポールの製造ラインから世に送り出された。しかし、すべてのデジタルモーターの製造方法は同じではない。ダイソン デジタルモーターは一般的なモーターの4倍のスピードにあたる毎分12万回転、小型の効率的なモーターから大きなパワーを生み出す。ダイソンのエンジニアはコードレステクノロジーのさらなる飛躍のため、従来のモーター設計の常識を越えた、新たな視点に基づくミッションに臨んだ。300台の自動ロボットを導入した最新設備には24時間稼働の製造ラインが設けられ、エンジニアやオペレーターの慎重な管理もってモーターの超高速製造が可能に。先進製造拠点ラインでは2秒に1台、モーターが生産される。多くのダイソン テクノロジーの根幹であるDyson Hyperdymium™(ダイソン ハイパーディミアム)モーターが、掃除機の吸引力をさらにパワーアップさせ、ヘアケアや空気清浄テクノロジーにおいて他社製品と一線を画す気流を実現。2021年4月、モーターの製造台数が累計1億台に達し、重要な節目を迎えた。
-
作業スペースの有効活用は極めて重要。1994年にウィルキンソン エアの建築士、クリス ウィルキンソンは、私の要望をすぐに理解し、それは今でも変わらない。今日に至るまでずっと一緒に仕事を続けている。ダイソンのマレーシア研究開発センターのデザインをクリスに依頼し、これはその内部(階段)。私の母校、グレシャム校に建てたダイソンビルでもこのデザインを再現してもらった。同僚とミーティングをしたり、作業できる快適な場所。オーディトリアムとも使用できる。
-
マレーシアにある半無響室。英国と東南アジアの研究開発施設に複数の半無響室がある。機密性が確保された環境下で製品テストの実施が可能。音響に関する研究開発や音響テストに使用。私自身のオーディオブックの録音に使用したことも。
-
ニューヨーク五番街640にあるDyson Demoの内部。Dyson Supersonic Ionicに用いられているダイソン デジタルモーターの巨大モデルが設置されている。
-
パリのDyson Demo。道を挟んでオペラ座のちょうど反対側に。
-
歴史的に重要な建物を蘇らせることは、とても大切な仕事であり、インスピレーションに満ちた場所をダイソン社員に提供することにもつながる。英国人が建設したセントジェームス・パワーステーションは20世紀のほとんどの期間、シンガポール国内に電力供給してきた。これからは、ダイソンの新グローバル本社へと生まれ変わる。
-
セントジェームス・パワーステーション内装の完成予想図。大聖堂のような天井の高さ、壁から浮かんだように見える床、アトリウムの広い吹き抜けなど空間の感覚をそのままに残すアイディアが反映されている。