第9章 最高の電気自動車| 「インベンション 僕は未来を創意する」 ジェームズ ダイソン
第9章

最高の電気自動車

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車の略設計図

スケッチ

初期の完成イメージスケッチ。
電気自動車の縮尺クレイモデルを製作中のジェームズ ダイソン

EV車の模型製作

自動車開発プロジェクトでピートと私が一番楽しかったのは縮尺模型のクレイモデル作り。よく見ると、私たちが鏡を使っていることがわかる。自動車はまったくの有機的形状で、特別なスタイルに作るというよりもエンジニアリングの過程から生まれた。
自動車縮尺モデルを前から

カーデザイン

電気自動車の縮尺モデル。長い間、トップシークレットプロジェクトとして取り組み、N526というコードネームで呼んでいた。仮のナンバープレートも。
自動車開発プロジェクトに取り組むジェームズ ダイソンとピート ギャマック

ピート ギャマックとの作業

自動車開発プロジェクトをスタートさせた時、建築家のクリス ウィルキンソンが英マルムズベリーキャンパスのある建物内に少数精鋭チームのために秘密のスペースを作ってくれた。偶然だがその何年も前、かつて掃除機の製造ラインがあった場所の隣。プロジェクトの中止を決断した時点で、チームは500人にまで拡大し、ハラビントンの新しくリノベーションした旧飛行場を拠点に活動していた。
自動車外装を横から

EV車の外観

アレック イシゴニスの、時代を超越したデザインのように車輪をボディの外縁に配置。これにより人が乗る車内空間や大型バッテリートレイの配置場所が広がり、操作性が高まる。この大型タイヤは市販されていれば最も大きいタイヤだったであろう。転がり抵抗を抑え、乗り心地を高めることができる。
ダイソン電気自動車の完成イメージ

コンセプト

EV車の初期コンセプト。
テストカーのフレーム内に座るジェームズ ダイソンを横から

座席のテスト

座席の初期バージョンをテスト中。運転者と同乗者にとっての快適さを特に重視した。
イームズのデザインにヒントを得たダイソン電気自動車の座席

イームズスタイル

座席の最終デザイン。座り心地よく、イームズの代表作であるパッド入りチェアへのオマージュ。このデザインにたどり着くまでに、想像以上の複雑なプロセスを経た。座席の安全性に関する法律ができたことで、現在の多くの車に見られるようなひどいレベルのデザインではなく、規制を守るためにさらに工夫が必要になった。
自動車実物大モデルを前から

電気自動車

自動車開発はあらゆる努力を注ぎ秘密裏に進めた。敷地内に出す時は外から見えないようスクリーンを貼ったことも。ここに写っているのは実際のクレイモデル。
ジェームズ ダイソンの手書きメモ付きの自動車の写真

メモ

自動車後部について書いた私のメモ。エンジニアに直接伝えたり、自分でプロジェクトに関われない時は今でもメモを手書きする。この仕事を始めた時から変わらない習慣。
自動車の断面図

断面図

7人乗りの自動車は空間を広く、快適なデザインに。これを可能にしたのが車輪間隔だ。
ハンドル

ハンドル

センターコンソールが乱雑にならないよう、すべてをハンドル上で操作。ダッシュボードのスイッチを探し回る必要もない。
1938年当時の建設中のハラビントン飛行場の古い写真

ハラビントン

英ハラビントン飛行場の格納庫の一つ。第二次世界大戦前の建設中の様子。建物を所有する際は、ただ取り壊すのではなく、蘇らせ、再び使い始めることが私にとって大切なこと。
ダイソンのオフィススペース、格納庫86の奥行きのある内部

ハラビントン

稼働する前の格納庫86内部の様子。
自ら自動車作業を行うジェームズ ダイソン

より洗練させる

自動車については決して人任せにはせず。
自動車のさまざまな座席デザイン図

座席

座席は腰部を支えるため水平パッドを組み込み、通気性も良く、ボディラインにフィットする形状。
自動車を横から。メモや注釈付き

性能

自動車はすべての地形を考慮して設計。最大920mmの深さの鉄砲水でもかきわけて進めることも想定した四輪駆動・四輪操舵車。
ダイソン電気自動車ヘッドライトのクローズアップ写真

ヘッドライト

ヘッドライトは投光器、方向指示器には照度を大きく高められるライブエッジアクリル樹脂を採用。
台車に載った自動車バッテリートレイ

バッテリー

台車に載った自動車のバッテリートレイ。8,500を超える電池を搭載し、航続距離は600マイル。
新型コロナウイルスのパンデミックを受け、ダイソンが設計した人工呼吸器

人工呼吸器

2020年3月、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を受け、ダイソンのエンジニアたちはすべての作業を止め、人の命を救う人工呼吸器の開発に乗り出した。ダイソンが2,000万ポンドのコストを負担し、わずか30日で完成させた。こうしたエンジニアたちと一緒に働いていることが私の誇りだ。