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Dyson Zone™:サウンドエンジニアリング

2023.5.23
ダイソンのエンジニアは不可能を可能にし、高度なフィルター技術と精密な音響工学のバランスをとり、性能に妥協することなく、外出先でも高音質かつ没入感のある音楽体験を実現しました。

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オーディオや電気音響の専門知識は、ダイソンにとって目新しいものではありません。センサー、エレクトロニクス、音響の各チームのダイソンのエンジニアは、Dyson Zone™プロジェクトでそれぞれの経験を結集し、高音質とANC(アクティブノイズキャンセリング)の革新的なアプローチを試みました。

Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、5つの基本原則に基づき、数十年にわたる音響学の経験とオーディオに関する高度な専門知識を駆使して、卓越した没入感のあるリスニング体験を提供します。一般的に、音響開発では、特別な訓練を受けたゴールデンリスナーが「良い音」を定義していますが、ダイソンのエンジニアはより科学的なアプローチを選択し、音響研究から導き出された仕様目標を、大規模なユーザートライアルで検証しました。

再生音の歪みを極限まで抑えた設計

ヘッドホン、自動車、ノートパソコンのスピーカーやラウドスピーカーなど、すべてのスピーカーは、入力信号である特定の音波(ユーザーが再生したい音楽や音)を再現することを目的としています。正確な再現は不可能なため、すべてのスピーカーである程度の歪みが生じますが、それは大きく目立つ場合もあれば、まったく気にならない場合もあります。歪みとは、入力された元の信号とヘッドホンで生成された出力信号との差のことで、歪みが大きいほど耳につきます。

スピーカードライバー、電子装置、機械構造、素材、音響は、歪みを最小限に抑えるために慎重に設計されています。ドライバーの出力は、毎秒48,000回の高度な信号処理によってさらに均等化されます。ノイズキャンセリングとの組み合わせにより、全周波数帯域で高周波の歪みを中和し、聴き取れないレベルまで低減します(0.08% @ 94dB @1kHz)。

高度なノイズキャンセリング機能

ヘッド本製品にはマイクが11個搭載されています。Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンのANCシステムは、搭載されている11個のマイクのうち8個を使用しています。Dyson Zone™は、20Hzから20kHzの範囲で、最大38dBまでノイズを低減します。

ハイブリッドANCと呼ばれる、フィードバック方式(ヘッドホン内部の音に対処)とフィードフォワード方式(ヘッドホン外部の音に対処)を組み合わせたノイズキャンセリングシステムが、 マイクで対象音をモニターし、「アンチノイズ」信号を発生させ、リアルタイムでノイズを打ち消します。「アンチノイズ」音波は、鼓膜に届くノイズを鏡像として再現することで、ノイズを打ち消し、鼓膜が動くことを防ぎます。

忠実なフルスペクトルオーディオ

Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、音や言葉の一つ一つを確実に聞き取れるように、人の耳に聞こえる領域超えた6Hz~21kHzの周波数を再生します。スピーカーの周波数帯域が極端に狭いと正確な再生が難しくなるため、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンでは、人間の聴覚の域を超える設計により、可聴帯域全体にわたってよりクリアな音を実現しています。このような広い周波数帯域は、電気音響工学のシステムエンジニアリングとベースコンポーネントによるもので、40mm、16Ωのネオジムスピーカードライバーがオーディオシステムの中核を担っています。

より繊細な音を聴くための科学的なチューニング

滑らかな、キラキラした、シャープな、鈍い、こもった・・・音を表現するために使われる形容詞は数え切れないほどあります。しかし、一般的には、なぜそのような音がするのか、また、特定のオーディオスタイルを選択または回避するためにはどうすればいいのかということは、ほとんど知られていません。ダイソンのエンジニアは、当初から製品開発を科学的なものにしたいと考え、10人の訓練されたリスニングモニターと世界規模の大規模なユーザートライアルに裏打ちされたデータに基づくオーディオ仕様を開発しました。

ダイソンは、人の音の感じ方を徹底的に分析し、周波数カーブを最適化した独自のEQ(イコライザー)設定を行うことで、より爽快なオーディオ体験を実現しています。開発の各段階では、実際の環境のもとで徹底的にプロトタイプのユーザートライアルを行い、リスナーの好みが研究や調査によって出された数値仕様に合致していることを確認しました。ダイソンの訓練されたリスニングパネルが参加した試聴テストは合計5,400分で、500回以上の個別テストが行われました。

ダイソンのエンジニアが開発したEQ(イコライザー)には、エンハンスド(高音域を鮮明に)、ベースブースト(低音を強調)、ニュートラル(よりフラットなレスポンスカーブ)の3つのモードがあり、好みに合わせて選択できます。
通話機能について:
Dyson Zone™は、通話用のマイクを内蔵しており、通話や音声録音、音声コントロールが可能です。通話用マイクとフィードフォワードANCマイクを組み合わせ、デュアルマイクビームフォーミングを実現しました。ビームフォーミングとは、各マイクからの信号を組み合わせ、システムが着用者の後ろや側面からのノイズを除去できるようにすることで、音声伝送をより聞きやすい明瞭なものにします。

快適で没入感のあるリスニング体験

エンジニアは、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンが様々な人の頭にどのようにフィットし、どのように機能するか、頭や顔の形状を詳細に調査し、ヘッドバンドの固定度、シールドの形状や素材、サイズ調節機能などに関する多くの情報を収集しました。また、遮音性と快適性を両立させるため、イヤークッションは従来よりもあえて平たくし、耳に合わせて角度をつけることで、最適なフィット感を実現しています。

左右のイヤーカップのバランスが悪いと、ダイソンの目指す没入感の高いリスニング体験が損なわれます。ステレオミックスで音源を正確に配置するには、すべての周波数で左右の整合性が高いことが重要です。頭の大きさや形によって頭部への密閉度が異なるため、特定の周波数でのバランス、つまりステレオイメージが人によって異なる場合があります。音響室でさまざまな頭の形や大きさを試し、さらに特注の試聴室で実際の使用場面を再現し、リスニングモニターによるテストを行った結果、どんな人でも最適な左右のバランスが得られるとエンジニアは確信しています。