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Dyson Zone™:モーターの小型化

2023.5.23
ダイソン製品の中で最も小さいDyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、イヤーカップに搭載されたモーターにより、外出先でも空気の浄化を可能にします。ダイソンのモーターの歴史は1999年までさかのぼり、製品ごとに設計された、より効率的なモーターを開発してきました。

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それはある課題から始まりました。先進的なダイソンのコードレス掃除機に従来のモーターを搭載することは、吸引力の低下を意味します。そこで、エンジニアと科学者のチームはより効率的でパワフルなモーターを開発することにしました。最初の2年間は技術面で苦戦しましたが、チームは毎分最大80,000回転可能な1200Wのモーターを開発しました。

最初の本格的なモーターは毎秒1,666回転のX020で、2004年に生産を開始しました。これはスイッチトリラクタンスモーター(無整流子電動機)技術を基に開発され、その速度、サイズ、性能は科学的なアプローチを新しい次元に導くものでした。その後、チームはV2、V4、V6、V8、V9といったモーターを発表し続けます。いずれもダイソン製品におけるそれぞれの役割に応じた特別な設計がなされています。後のDyson Supersonic ヘアドライヤーに搭載されたモーターは、従来のヘアドライヤーの半分の重さで、8倍速く、小さな軸流形インペラーとセンサーレスアルゴリズムにより、1秒間に最大1,900回転します。

コンプレッサーは、それぞれのイヤーカップに1つずつ搭載されており、これがDyson Zone™空気清浄 ヘッドホンの心臓部です。バッテリー駆動でモーターが回転し、フィルターを通して空気を吸い込み、コンプレッサーを動かして空気圧を高めます。浄化された空気は、綿密に設計された気流経路を通ってシールドに導かれ、鼻と口へ届けられます。

驚くことに、モーターは耳に最も近いイヤーカップ内に配置されています。モーターの開発プロセスでは、オーディオ性能を維持しながら、サイズ、重量、機能性、気流の量のトレードオフが何度も繰り返されました。非常に厳しい公差を持つこの小さなモーターには、高精度な製造と1つ1つのバランスが求められます。バランスを取るためには、重量の微小な個体差を考慮し、どの程度素材を削ればより良い性能、低振動、低騒音になるかを計算する必要があります。

モーターが回転すると、多量の空気が移動することによってノイズが発生します。モーターがしっかり固定されていないと、モーターは振動し、イヤーカップの他のパーツと接触し、ノッキング音やガリ音が発生します。イヤーカップ内でのモーターの振動によるノイズを避けるため、モーターはソフトマウント方式で外装から吊り下げられています。素材が硬いほど、あるいは2つの要素がしっかり固定されているほど、振動は素材に伝わります。

イヤーカップ内でモーターが動くことで発生するノイズを、ソフトマウント方式によって低減する効果を評価するため、偏向装置を開発しました。加速度センサーを搭載したイヤーマフを使用し、歩行、バスに急いで乗る時、階段の上り下りなど、さまざまなスピードで移動する際の人の運動パターンを測定しました。装置は頭の動きをシミュレーションし、外出先での動きに対するソフトマウント方式の効果を測定します。