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Dyson Zone™:洗練されたフィルター技術

2023.5.23
ダイソンのフィルターは初めて、大きな温度差、悪天候、外出先での磨耗など、屋外での耐性が求められることとなりました。サイズや重量などの制約がある中で、新しいタイプのフィルターを開発する必要がありました。

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高い空気清浄効果を得るためには、優れたフィルターはもちろんのこと、フィルターの設計、気流経路、製品の密閉性などを総合的に考える必要があります。ジェームズ ダイソンは、掃除機が1回で目詰まりしてしまうことに不満を感じ、紙パックに頼らない、吸引力が落ちないサイクロン式掃除機を初めて開発し、その過程で5,127個のプロトタイプを制作しました。サイクロンは空気を回転させることで、気流から粒子を分離します。長い時間をかけて、ダイソンのエンジニアは、大きなサイクロン - クリアビン - 複数の小さなサイクロンという多段階排気システムを開発し、さらに効率的な排気システムを作り上げました。この原理は30年以上かけて、部屋の空気よりもきれいな空気を排出する、ダイソンの製品全体で5段階にわたりゴミを捕集する排気システムへと発展しました。
床から空気へ

ダイソンのエンジニアは、洗面所や家庭、商業施設における空気中の汚染物質を除去するため、この排気技術を他のカテゴリーの製品に応用する可能性を見出しました。ダイソンの空気清浄機とハンドドライヤーには、完全密閉型のHEPAフィルターが採用され、バクテリア、ウイルス、花粉、ホコリなどの粒子を気流から除去し、よりきれいな空気を室内に送ります。さらに、徹底したきれいさを求める方のために、ダイソンの最新掃除機にもHEPAフィルターが搭載されています。

ダイソンの空気清浄機の活性炭フィルターは、VOC(揮発性有機化合物)やNO2(二酸化窒素)などのガスを捕集します。しかし、ホルムアルデヒドは活性炭フィルターでは捕らえきれず、これが問題となっていました。ダイソンは解決策として、酸化分解触媒フィルターにより、分子レベルでホルムアルデヒドを連続的に分解します。クリプトメレーン鉱と同じ構造を持つフィルターのコーティングには、ホルムアルデヒド分子との反応に最適な大きさと形の原子サイズのトンネルが何十億個もあり、ホルムアルデヒドを微量の水とCO2に分解します。
最適なフィルターを探して

ダイソンのエンジニアには、すでに空気の浄化に関する幅広い知見がありますが、特定のサイズと重量が要求される空気清浄ヘッドホンの開発という今回のプロジェクトでは、新たな課題が突きつけられました。HEPAフィルターはとても効果的ですが、現実的な濃度の汚染物質を除去するためには、サイズが非常に大きくなり、ヘッドホンに搭載することは不可能でした。

また、従来のフィルター素材であるPTFE(フッ素樹脂)も検証しました。FLITボックスは、ダイソンの研究チームが開発した装置です。この装置により、エンジニアは屋外環境でのPTFEの使用について、より深く理解することができました。さまざまなフィルターの素材を屋外環境にさらす試験が、ダイソンのマルムズベリーキャンパス、ロンドン、中国で数多く実施され、その様はハチの巣箱が並ぶ養蜂場さながらでした。この実験で、PTFEは水に濡れると空気が通りづらくなり、性能が損なわれることがわかりました。

今回採用した静電フィルターは、ブレーキダスト、工業燃焼、建設工事などによる粒子や超微粒子などを、マイナス帯電した静電フィルターで吸着して捕捉します。外形も小型化され極端に大きなフィルターは不要となり、かつ、都市汚染を捕捉するために必要な高水準の空気清浄効果を維持しています。 静電フィルターと、NO2やSO2(二酸化硫黄)などの都市のガスや汚染物質を捕捉するカリウムを含んだカーボンの層により、Dyson Zone™空気清浄ヘッドホンは、屋内と屋外の汚染物質の両方に対応できるようになりました。