ダイソンの空気質センサー内蔵のバックパックを使い、数百人の子どもたちが大気汚染を調査|Dyson ニュース|ダイソン

ダイソンの空気質センサー内蔵のバックパックを使い、数百人の子どもたちが大気汚染を調査

~オーストラリア初の市民科学調査を実施~
2023.3.23

● メルボルンのインナーウエスト地区にある6つの小学校の生徒が、ダイソンの空気質センサー内蔵のバックパックを使い、毎日の通学時の大気汚染データを収集します。

● 生徒が収集したデータはディーキン大学の研究者によって検証され、そのデータを活用して毎日吸う空気の質を改善するための方法を生徒たちとともに探求します。

● 「ブリーズメルボルン」と名付けられたこの調査研究は、子どもたちの科学的好奇心を育み、地域コミュニティの意識を高め、喘息発症の原因となる可能性がある都市の大気汚染レベルに取り組む政府の政策のために情報を提供することを目的としています[c]

オーストラリアのディーキン大学とダイソンは、メルボルンのインナーウエスト地区で、子どもたちが通学時にさらされる大気汚染を測定する先駆的な市民科学調査を実施することを発表しました。生徒たちはダイソンの空気質センサー内蔵バックパックを使い、通学路の空気質データを収集します。「ブリーズメルボルン」と題されたこの調査研究は、ディーキン大学が主導し、ダイソンと共同で行われます。この調査は、子どもたちに空気質の研究者としての調査学習を体験してもらい、地域コミュニティの意識を高め、都市部の大気汚染対策のための貴重なデータを収集することを目的としています。

6校300人以上の小学生と12人の先生に、空気質センサー内蔵のバックパックを支給。4日間、学校の行き帰りに使用します。収集したデータはディーキン大学の研究者によって分析され、研究者たちは参加した生徒とともに、呼吸する空気の質を改善するための行動について検討します。また、参加した生徒はアンケートに回答し、この研究が生徒たちの大気汚染に対する理解や科学技術への取り組みに与える影響を確認します。参加校は、ジェームズ・ダイソン財団(JDF)が提供する大気質に関する教材を自由に利用することができます。これは、生徒たちが本物のエンジニアのように大気汚染を調査し、既存の解決策を評価することを促すものです。

ディーキン大学心理学部の上席研究員で、ブリーズメルボルンの主任研究員であるケイト・ライセット氏は次のようにコメントしています。

「ブリーズメルボルンは、子どもたちが空気質の科学者のように考える力を引き出すことを目的とした研究調査プロジェクトです。未来のリーダーとして、子どもたちは大気汚染とその影響を含む多くの複雑な問題に直面することになります。このプロジェクトが子どもたちの科学的好奇心を育み、大気汚染に対する理解を深め、最終的にはメルボルンのインナーウエスト地区における大気汚染対策や政府の政策変更に繋がっていくことを願っています。」

目に見えないものを見える形に

ダイソンの空気清浄機に搭載されるセンサー技術を利用した、携帯型の空気質センサー内蔵のバックパック。PM2.5、PM10、NO₂、VOC、CO₂を測定するセンサーとバッテリー、GPSを搭載し、移動しながら大気汚染データを収集することができます。このバックパックはもともと、英国でロンドン市及びキングス カレッジ ロンドンが共同で行った同様のプロジェクト、「ブリーズロンドン」のためにダイソンのエンジニアが開発したものです。この調査の結果、31%以上の子どもたちが、大気汚染にさらされる機会を減らすために通学方法を変えると回答しました。

ダイソンの空気清浄カテゴリー部門のディレクターであるマット・ジェニングスは、次のように述べています。

「当社のエンジニアは、長年にわたる空気清浄技術の経験と研究から得た知見をもとに、子供たちのバックパックに入るサイズのインテリジェントセンサーを開発しました。2019年に英国で行われたブリーズロンドンの成功以来、私たちは、屋内、屋外、移動中の大気汚染曝露を明らかにするという、目に見えないものを可視化する空気モニタリング技術の活用の有益性を実感しています。ブリーズメルボルンが、大気汚染の問題に対する意識を高め、私たちが毎日浴びている屋外と屋内の汚染について確かな科学的証拠を示しながら、一人ひとりが日々の大気汚染の曝露をいかに減らすことができるか、啓発してくれることを願っています。」

ロイヤルメルボルン病院の呼吸器・睡眠医学部長兼臨床研修部長であるルー・アーヴィング教授は、こう語っています。

「大気汚染は、世界保健機関(WHO)によって、健康に対する最大の環境リスクのひとつと予測されています[c]。 それは、世界中に空気質の悪いところがたくさんあるからですが、同時に空気汚染がもたらす健康への悪影響も多様だからです。メルボルンのインナーウエスト地区は、小児喘息のホットスポットで、オーストラリアの他の地域よりも喘息の入院・通院の有病率が高いのが特徴です[c]。 ブリーズメルボルンの調査は、空気質が悪いためすでにリスクがあることがわかっている子どもたちのグループに焦点を当て、リスクを減らすだけでなく、喘息症状の管理を助けることを目的としているため、たいへん重要な研究なのです。」

ビクトリア州環境保護局(EPA)のチーフ環境科学者であるマーク・パトリック・テイラー教授は、次のように語っています。

「EPAは、環境とビクトリア州民の健康を守るために活動しています。大気汚染は、どのようなレベルであっても、人の健康や環境に悪影響を及ぼすことが分かっています。このプロジェクトは、既存の空気質モニタリングに加え、エビデンスに基づく洞察、健康に関するアドバイス、意思決定を促進するものです。」

参加校の一つであるスポッツウッド小学校のジャッキー・グリーン校長は次のようにコメントしています。

「スポッツウッド小学校は、ブリーズメルボルンプロジェクトに参加できることにワクワクしています。メルボルンで最も交通量の多い道路の近くで生活し、学んでいる私たちにとって、地域の空気質について詳しく理解することは重要なことです。私たちは、地域の空気質に良い影響を与え、自分たちの健康を守るためにできることを見つけることに熱意を持って取り組みます。」

今後、小学校はデータ収集を開始し、その結果を今年中に発表する予定です。