英国時間2017年9月14日(木)にダイソンは、現エンジニアリングを志す学生たちが、英国学校法人 ダイソン インスティチュート オブ エンジニアリング アンド テクノロジー(以下、本校)で、高等教育の学びをスタートさせました。英国ウィルトシャー州マルムズベリーのダイソン テクノロジーキャンパス(研究開発施設)内にある本校の4年制エンジニアリング学位コースには、定員25名に対して850名以上の出願がありましたが、出願者が非常に優秀だったことから、33名を学生エンジニアとして迎えることとなりました。
このインスティチュートは、それまでダイソンがジェームズ ダイソン財団として行ってきた英国におけるエンジニア不足への取り組みや、未来のエンジニアを育てる学校や大学での活動を発展させたものです。2017年4月27日に議会を通過し女王陛下の裁可を受けた「高等教育および研究法(Higher Education and Research Act)」は、官僚主義的手続きを廃し、高い品質の教育提供者が、より幅広い選択肢と柔軟性を学生に提供できることを目的として作られた法案で、本校はこれに基づく初の大学です。
学生エンジニアは、入学後それぞれの領域で世界的な専門家である、ダイソンの現役科学者やエンジニアから指導を受けます。また、ワーウィック大学WMG(ワーウィック・マニュファクチュアリング・グループ)の研究者が学術教育を担当します。学生は、高度な科学およびエンジニアリングの理論と、実際のプロジェクトにおける実現的で実践的なエンジニアリングを総合的に学ぶことができます。また、在学期間を通して給与を得ながら、負債を負うことなく高等教育を修了することができ、4年間の課程を修了した際には大卒者としてダイソン入社の機会が得られます。
ジェームズ ダイソンは次のように述べています。「英国は深刻な大卒エンジニア不足に陥っており、科学、テクノロジー、エンジニアリングが脅かされています。学生エンジニアたちは学業を進めながら、世界をリードする現役エンジニアのそばで新しいテクノロジーを開発し、実際に製品を生みだし、それらはやがて世界中の家庭で利用されるようになるでしょう。学生がこれからの4年間でどれほど素晴らしいことをやってのけるのか、それを見るのを楽しみにしています。そして、彼らがその後長くダイソンで働きたいと思ってくれることを期待しています」
教育の新しいアプローチ
ジェームズ ダイソンは、英国のエンジニア不足を長い間訴えてきました。エンジニアリング職への就職者数には、毎年69,000人の不足が出ています。つまり、各企業はエンジニアを海外で探さざるを得なくなっているのです。
2016年3月、ジェームズ ダイソンは、英国のジョー ジョンソン大学・科学・研究・イノベーション担当大臣から「高等教育および研究法」の法案が議会を通過したことを機に、これまでとは違う新しい大学の創設を勧められました。本校の設立は、ダイソンが有する研究開発およびデザインの専門性と、指導の文化を、「教育のre-engineering (再構築)」という、新しい目標に焦点を合わせる機会となりました。
その18カ月後、ダイソンから2,200万ポンド(約31.9億円*)の出資を受け、本校が開校されました。
- 今回入学する学生エンジニアのうち27%が女性。これは英国平均の16%を大きく上回る。
- 入学者には、ケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンなどの一流大学に合格していた学生も。
- 第1期生の66%が、Aレベル(高校卒業資格)で1教科以上の「A*」(90%以上の得点)を取得。
発展するウィルトシャーキャンパス
本校の建物は、マルムズベリーの広大なキャンパスに追加して建てられます。このキャンパスには3,500名の従業員が在籍しており、敷地内にカフェ4か所、万全の設備を備えたジム、全長1マイル(約1.6km)の自然歩道を擁しています。本校の学生エンジニアは、特別に設計された宿舎村や、図書室、カフェ、バー、映写室、ショップを備えた円形の2階建てビルを利用することになります。